弁護士を頼む費用が保険でまかなえる「弁護士費用特約」とは?

代表弁護士 飛田 貴史 (とびた たかし)

「費用面が心配で頼みづらい」と思われがちな弁護士への依頼。しかし、ご自身が契約している保険に「弁護士費用特約」が付帯されていれば、その費用は保険でカバーされるため、気兼ねなく弁護士への相談や依頼ができるようになります。
この記事では、弁護士特約が使えるケースや対象範囲などについて解説します。

弁護士費用特約の基礎知識

弁護士に相談や依頼をするときの相談料・着手金・報酬などを保険でまかなえるのが、「弁護士費用特約」です。この特約があれば、費用面での心配をすることなく、弁護士への依頼ができるようになります。

弁護士費用特約が使えるケースは?

相手に損害賠償金を請求できるすべてのケースで、弁護士費用特約が使えます。過失割合の大小は問わないため、ご本人の過失割合がゼロでも、逆に8割9割といった大きな過失がある場合でも、特約を使うことができます。

なお、過失割合の考え方については、【損害賠償の金額を左右する過失割合に対して弁護士ができることとは】【交通事故の過失割合は、事故の定型パターンを修正して決まる】をご確認ください。

弁護士費用特約が利用できる人は?

契約しているご本人の同居の親族に加えて、別居している未婚(まだ結婚したことがない)の子供や事故に遭った車に同乗していた人も利用できるなど、対象範囲は広く定められています。
このため、弁護士特約が付帯されている車が一台あれば、補償が重複しないように他のご家族の車には特約をつけないのが一般的です。もしご自身の車の契約に特約が付帯されていないのであれば、必ずご家族の保険も確認しましょう。

弁護士費用特約で補償される内容は?

弁護士への法律相談料と、委任後の弁護士費用が補償されます。

法律相談料とは、交通事故について弁護士に相談する際の費用を指します。
弁護士と話をして依頼するかどうかを判断したい場合や、相談だけ行ってご自身で対応したいという場合にも利用できます。

弁護士費用には、着手金・日当などを含む弁護士への報酬や、交通費・コピー代・裁判所に納める訴訟費用などの実費が含まれます。

弁護士費用特約で補償される金額は?

一回の事故につき対象となる方おひとりごとに、法律相談料として10万円まで、弁護士費用として300万円までというのが一般的な保険金額です。

保険金額や対象となる細かい内容は、保険会社や契約している保険商品によって異なる可能性があります。利用の際には必ず、ご自身が契約している保険会社にご確認ください。

弁護士費用特約の5つのポイント

弁護士費用には、知っておきたい5つのポイントがあります。

①火災保険や医療保険にもついている可能性がある

火災保険や医療保険に、弁護士特約が付いていることがあります。
ただし交通事故に使えない場合もあり、補償される範囲も異なる可能性がありますので、必ず契約内容をご確認ください。

②次年度の等級や保険料に影響なく使える

自動車保険の弁護士費用特約は、次年度の等級や保険料に影響なく、年度内に何度でも使える特約です。
火災保険や傷害保険の弁護士費用特約は、自動車保険の特約と同様に次年度の保険料への影響はありませんが、保険期間内に使える回数の制限がある場合があります。

③委任する弁護士は、自分で選べる

委任する弁護士はご自身で自由に選べます。ただし特約を使用するためには保険会社の了承が必要なため、事前に保険会社に連絡しましょう。

④相談料から訴訟費用まで、すべてが保険金でまかなえる

法律相談料や弁護士費用が保険金額内で収まれば、弁護士に依頼する際のすべての費用を弁護士費用特約でまかなうことができます。

⑤弁護士費用は、立て替えなくてもよい

弁護士費用は、保険会社から直接弁護士に支払われる仕組みとなっており、立て替え払いの必要がありません。

示談交渉を保険会社任せにせず、弁護士に依頼するメリットは?

一般的な任意の自動車保険には示談代行サービスがついており、本来では弁護士などの職業にしか認められていない代理人としての交渉が、保険会社の社員には一部認められています。このため軽微な事故であれば、保険会社に対応を一任することがほとんどです。

しかし、自身に全く過失割合が発生しない事故の場合や、責任があることを認めていない場合には、保険会社が関与することはできません。また損害賠償金の計算には、自賠責基準・任意(保険)基準・弁護士基準の3つの計算方法がありますが、特に慰謝料に関して圧倒的に高い水準を打ち出しているのが、弁護士基準です。

このため、損害賠償の請求額が大きい場合には、任意保険会社にお任せにせず、弁護士に相談する方が得策と言えるでしょう。

弁護士特約の有無にかかわらず、お気軽にご相談ください

わたしたちは「こんなことを相談してもいいのだろうか?」というような軽微なことでも相談できる、聞きたいことを尋ねられる弁護士事務所を目指しています。当事務所では、事故の初期段階からご相談を受け、事故の解決までの見通しを伝えたり、必要なアドバイスを行ったりしながらサポートをしています。

早期のご相談で見通しがつけば、先行きの心配が消え、気持ちが楽になります。
弁護士特約の有無にかかわらず、まずはお気軽にご相談ください。

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