後遺障害等級の認定に納得がいかなければ「異議申立て」を

代表弁護士 飛田 貴史 (とびた たかし)

「異議申立て」とは、認定された等級や、後遺障害にあたらないとされたことに不服がある場合に、再度審査を行うように申請できる制度です。
この記事では、異議申立ての仕組みと異議申立てを成功させるポイントについて、説明しています。また、後遺障害診断書と後遺障害の等級や賠償金との関係から、なぜ、交通事故に強い弁護士が関与することで、異議申立ての成功率が上がるのか説明します。

後遺障害の等級認定をやりなおすのが「異議申立て」

交通事故における後遺障害の等級は、自賠責損害調査事務所という専門機関で審査を行い、認定が行われます。しかし審査の結果、後遺障害にあたらないとされる「非該当」となったり、予想よりも低い等級で認定されたりする場合もあります。
認定された結果に不服がある場合に、改めて審査をするように請求できるのが、「異議申立て」という制度です。異議申立てを行うと、弁護士や医師、学識経験者等の専門家によって構成される自賠責保険審査会に持ち込まれ、後遺障害専門部会で審議された上で、改めて後遺障害等級の認定が行われます。

異議申し立てに期限はないが、賠償金などを請求する権利は3年まで

異議申立ては、損害保険会社の窓口などに備え付けられた書面によって行います。

異議申立ての期限は特に定められていませんが、自賠責保険の請求や事故の相手方への損害賠償を請求する権利の期限となる時効は、症状が固定した日から3年までと定められています。自賠責保険への時効中断の申請や、事故の相手方に対する訴訟などによって、時効の進行を止め、権利を保全することは可能ですが、時効が成立する前に解決できることが望ましいでしょう。

異議申立てのために新たな検査を受け、資料を揃えたり、後遺障害等級の認定が下りた後に相手方との示談を行ったりすることを考えると、3年といえども、決して時間的な余裕があるとは言えません。

後遺障害等級の認定に納得がいかなければ、速やかに異議申立ての手続きに着手したほうがベターです。

異議申立てを成功させる秘訣は、症状や根拠、情報の綿密なチェック

異議申立てを成功させる秘訣は、見落とされている障害の症状や根拠が弱い部分、記載が漏れている情報がないかを調べることです。

まずは、なぜ認定内容に納得がいかないのかを明確にします。

例えば「胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの」として、第11級が認定されると期待していたのに、認定内容としては第12級の「鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの」として認定されたとします。
これに異議を申し立てるためには、臓器の機能に仕事をするのが難しいような障害が残っていることを明確にすることが必要となります。具体的には、レントゲン・CT・MRIなどの画像を読み込み、訴えたい後遺障害の根拠を明らかにします。目に見える証拠がないと、それに対応する後遺障害の等級の認定は難しいからです。

また、事故との関連性が低いと医師が判断した症状や、外観的に判断できない本人の自覚症状について、見過ごされている場合もあるため、後遺障害診断書をチェックします。

もし、具体的な根拠や症状の記載が不十分だったり、誤りがあったりするのであれば、医師に確認する、具体的な症状をメモして医師に渡すなどして、後遺障害診断書に詳しく書いてもらう必要があります。
このようにして、異議申立て書に具体的な内容を記載し、新たな資料を添付して提出します。

成功する異議申立てには、根拠がある

それでは、異議申立てを行った実際の例を見てみましょう。

手足が痛いという方からの、認定内容についての相談です。手の後遺障害について等級の認定がされていますが、特に痛むのは足だったため、医学的な調査を行うことにしました。
CTスキャンの検査結果を、提携先の鑑定機関に見せたところ、リスフラン関節に骨片が残っていることが発覚しました。リスフラン関節とは、足の甲の中心にある、クッションの役割を果たしている関節です。障害によって衝撃を吸収できなくなり、体重をかけると強い痛みを感じるようになる部位です。

鑑定結果を主治医も理解して、後遺障害診断書を書き直してくれました。その結果、異議申立によって当初の認定よりも等級が上がったのです。

このように、医師やご本人が気づかなかった後遺障害が、弁護士によって発見される場合もあるため、セカンドオピニオンを受けるように弁護士に相談するのも有効だと言えるでしょう。

異議申立ての結果、等級が下がってしまうのでは?

異議申立てをすることにより、一旦認定された等級が下がることはありません。また、異議申立ては何度でも行うことができます。

とはいえ新たな等級が認定されるためには、それに見合う根拠が必要となります。また、申立てのための診断書の発行手数料や、書類・画像等のコピー代はご本人の負担となりますし、異議申立てをしたからといって、必ずしも等級が上がるとは限らないのが実情です。

最初の認定や異議申立てで納得のいく等級が認定されるように、早い段階で弁護士に相談をされることをお勧めします。

後遺障害の認定について納得がいかなければ、ご相談ください

わたしたちの強みは、後遺障害をはじめとした医療知識の知識水準が高いことに加え、実例にあるようにMRI・CTなどの画像鑑定をする機関と連携していることです。専門家のチェックにより、異議申立てのポイントを探ることで、成功する確率がアップします。

また、常に医療機関の関係を良好に保ち、医師と面談して情報を入手したり、具体的な内容を相談しながら意見書を書いてもらったりすることで、有効な異議申立てができるように手を尽くしています。
認定された等級に納得がいかないときには、当事務所がしっかりとご相談を承ります。

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