3つの基準で違いが出る、子どもや高齢者の死亡事故における慰謝料・葬儀費用・逸失利益について

精神的・肉体的苦痛を賠償するための慰謝料は、自賠責・任意・弁護士の3つの基準により大きく異なります。本人も周囲の方も大きな苦痛を受ける死亡事故では、慰謝料の金額自体が高額なため、算出する基準によって大きな差が出ます。

この記事では、子どもや高齢者が亡くなられた場合の慰謝料に焦点を当て、その算出方法や具体的な判例を中心に、逸失利益や葬儀費用の概要も含めてお伝えします。

3つの基準により、大きく異なる慰謝料の基準

慰謝料の算出は、自賠責・任意・弁護士の3つの基準により大きく異なります。まずは、知らないと不利益が生じる可能性がある慰謝料の算出方法について、解説します。

自賠責基準の慰謝料は「本人+遺族+被扶養者加算」で計算される

自賠責基準の慰謝料額を求めるためには「①死亡した本人への慰謝料+②請求できる遺族への慰謝料+③被扶養者がいる場合に加算される慰謝料」の計算式が用いられます。

法定相続の考え方では、配偶者と子が優先され、子がいない場合には配偶者と父母、父母がいない場合には配偶者と兄弟姉妹、というように、相続人の組み合わせが限定されますが、慰謝料の考え方では父母・配偶者・子の全てが、同様に請求することができる遺族となります。このため②の請求できる遺族とは、死亡した方の父母(養父母を含む)、配偶者・子(養子・認知した子・胎児を含む)となります。

①~③のそれぞれの金額は、以下の表のとおりです。

①死亡した本人 350万円
②請求できる遺族 1名の場合 550万円
2名の場合 650万円
3名以上の場合 750万円
③被害者に被扶養者がいる場合の加算 200万円

      
例えば子どもや被扶養者がいない高齢者で、請求できる近親の遺族がふたりである場合を想定すると、①350万円+②650万円で1,000万円が自賠責基準における損害賠償額となります。

任意基準の慰謝料は、自賠責基準を基に個別に調整

任意基準の慰謝料額は会社によって異なり、その基準は明らかにはされていません。目安としては、自賠責基準を参考にした次のような金額をもとに個別の状況を勘案して算出している可能性があります。

一家の生計を主に担っている方 1,450万円
高齢者(65歳以上で、生計を担わない方) 1,000万円
18歳未満(就業している方を除く) 1,200万円
上記以外 1,300万円

このため、子どもの場合には1,200万円、家族の生計を立てる立場にはない高齢者の場合には1,000万円程度が、任意保険における損害賠償額となります。

弁護士基準は、過去の裁判例や研究結果から導き出した金額を基準とする

弁護士基準の慰謝料は、次のように一家の中の経済的な役割によって分けられています。

一家の生計を主に担っている方 2,800万円
上記の配偶者または母親である方 2,400万円
上記以外 2,000~2,200万円

こどもや、家族の生計を立てる立場にはない高齢者の場合には、2,000~2,200万円程度が、弁護士基準における慰謝料となります。

判例から見る慰謝料の水準

それでは、具体的な判例を見てみましょう。

子どもに関しては、平成11年に亡くなった12歳の中学生男子の慰謝料として、本人には2,000万円、父に150万円、母に350万円の合計2,500万円を認めた神戸地裁の平成15年3月28日の判決などがあります。
また、平成20年に亡くなった20歳の女子大生の慰謝料として、本人には2,500万円、父に300万円の合計2,800万円を認めた大阪地裁の平成23年3月25日の判決などもあります。

高齢者の場合には、平成19年に亡くなった81歳の年金受給者の男性の慰謝料として、本人には1,800万円、3名の子にはおのおの200万円の合計2,400万円を認めた東京地裁立川支所の平成21年8月27日の判決などがあります。

また、平成22年に亡くなった75歳の主婦の女性の慰謝料として、本人には2,300万円、夫に200万円、子に100万円の合計2,600万円を認めたものもあります。

このように自賠責や任意保険では1,000~1,200万円程度とされている慰謝料ですが、弁護士基準や実際の判例では、その2倍以上の慰謝料が認められているのです。

慰謝料以外の死亡事故に対する損害賠償

死亡事故の場合に請求できる損害賠償金は、慰謝料のほかに葬儀関係費と逸失利益があります。

葬儀関係費

葬儀関係費についても、それぞれの基準によって次のように異なります。
こちらも慰謝料と同様に、認められている額に大きなひらきがあります。

自賠責基準 原則として60万円、場合により100万円までの必要かつ妥当な実費
任意基準 各保険会社の独自基準(自賠責基準より若干高い設定が多い)
弁護士基準 原則として150万円までの実際に支出した額

逸失利益

詳しくは【(死亡事故の場合)収入の有無や職種によって異なる逸失利益の計算方法とは】で解説していますが、逸失利益については以下のような計算式に当てはめて計算されます。

逸失利益=①基礎収入×②(1-生活費控除率)×③ライプニッツ係数(④中間利息控除)

子どもの場合には、①の基礎収入には就労が可能となる18歳以降の賃金センサスの平均賃金を、③は就労可能年数に対応するライプニッツ係数を使用します。

一方、年金を受給している高齢者の場合には年金額が①の基礎収入とみなされ、③には平均余命年数に対応するライプニッツ係数が使われます。

相手の保険会社に弁護士基準を基に賠償金が低すぎると伝えても応じてくれないケースもある

弁護士基準は標準的な目安であるため、ただその金額を伝えるだけでは賠償金をアップさせるのは難しいかもしれません。

わたしたち弁護士は、実際の事故の状況や亡くなられた方の家庭における経済的な役割を把握したうえで、判例などを参考に明確な根拠をもって保険会社と交渉を行います。
また、交渉では困難な場合には、紛争処理センターや裁判所に持ち込むことで、納得のいく結果を得られるように手を尽くしています。

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