高次脳機能障害で、適切な後遺障害等級の認定を受けるための3つのポイント

代表弁護士 飛田 貴史 (とびた たかし)

認知の障害や人格の変性、神経症状などが見られるなど、生活や仕事への影響が大きいにもかかわらず、診断や後遺障害の認定が難しいのが高次脳機能障害です。

この記事では、本人や家族など周囲の人にとっての負担が重い高次脳機能障害で、適切な後遺障害等級の認定を受けるために、重要な3つのポイントについて説明します。

外見からわかりにくく、診断がつきにくい高次脳機能障害

認知の障害や人格の変性、神経症状などがみられる、高次脳機能障害

頭に衝撃を受け、脳に損傷を受けたことで、会話や行動、また記憶力や注意力の低下など起こるのが高次脳機能障害です。

物事を覚えておけない、集中することが難しい、物事を決められないというようなことが起こります。また、気持ちがころころと変わる、暴言や暴力が見られるようになる、嫉妬や被害妄想がでるなどの人格の変性があらわれます。また、体に麻痺が残ったり、立ったり歩いたりするのが不安定になるような、神経症状があらわれることもあります。

生活への影響が大きいが、診断がつきにくい、高次脳機能障害

このように、心身の能力や意欲が低下し、仕事や日常生活に支障をきたすケースが数多く見られる、高次脳機能障害ですが、実際に症状が現れるのは、数時間から数日後、時には数週間後の場合もあります。また、CTやMRIなどの画像診断を行っても脳の損傷が確認できなかったり、事故直後の意識障害が軽度なのに、症状が出たりもします。

このような特徴をもつ高次脳機能障害は、症状が現れるまでに時間がかかったり、客観的な原因と症状が結びつきにくかったりし、因果関係がわかりにくいことから、診断が難しい場合もあると言われています。

体の傷や機能の低下が一見してわかるような後遺障害と異なり、脳の機能障害による症状であることがわかりにくく、そのために周囲の理解が得られにくいことも、本人や本人を支える家族などにとっては困難を感じる点だといえるでしょう。

後遺障害の等級が認定されるための3つのポイント

客観的な判断が難しいケースもみられる高次脳機能障害ですが、例えば、「神経系統の機能又は神経に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」(一般的な就労はできるが、問題解決能力などに障害が残り、作業の効率や持続力などに問題があるレベル)にあたるとされた場合では、14段階に分かれる後遺障害等級の第9級の認定となります(多少の障害、軽微な障害といった程度である場合には、12級や14級が認定されることもあります)。

具体的な後遺障害の状態と等級の一覧については、以下をご覧ください。

自賠責保険ポータルサイト
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html
後遺障害等級表
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment_pop.html

自賠責保険を運用する損害保険料率算出機構では、専門医などによる専門部会を設けて審査を行うなど、高次脳機能障害による後遺障害を積極的に認める方向に向かっています。このような状況の中で、確実に等級の認定を受けるためには、高次脳機能障害によって障害が起きていることを立証できる、的確な資料を提出することが必要となります。

高次脳機能障害による後遺障害を立証するために重要なポイントは、大きく分けて次の3つです。

①頭の怪我と脳の損傷が確認できること

交通事故による、外傷と脳の状態の異変を立証するためにもっとも有力なのは、画像診断資料です。
事故の直後から症状固定までの間、適切な間隔で検査を受けることにより、脳に後遺障害が残っていることが画像資料から確認され、必要な後遺障害等級の認定につながります。

②事故の後に、意識障害が継続していたこと

診断書に記載される頭の怪我の程度が軽かったり、画像診断では損傷が確認できなかったりする場合でも、事故直後には意識がなかったなどの意識障害の状態や、搬送中・救急搬送先でどのように症状が変わったのかがわかることにより、高次脳機能障害による後遺障害が発生していることを確認できる可能性が考えられます。

このような場合には、救急搬送された際の記録や、搬送先から他の病院に転院する際に作成される連絡のための文書など、事故直後の医療記録の提出をすることが有効となります。

③意識を回復した後の認知障害や人格の変性が明らかであること

画像診断資料があれば、どのような後遺障害があるかを立証することができますが、検査を受けていなかったり、画像から判断される状態より実際の後遺障害が重かったりすることもあるでしょう。

そのような場合には、ご本人の日常生活や、仕事や学校、地域での活動、公私にわたる交友関係などの社会生活の状況が、事故に遭う前と事故に遭った後でどのように変化したかを比較し、認知の障害や人格の変性の有無と、後遺障害の程度を判断します。
そして、これらの検証のためには、家族や介護に携わっている方、診察をした医師などによる調査資料が必要となります。

高次脳機能障害による後遺障害の等級認定を、弁護士事務所に依頼するメリットは何ですか?

高次脳機能障害においては目に見えないところをどのようにアピールするのかが、後遺障害等級の認定結果を分ける、大きなポイントです。

事故に遭う前後の変化を、調査する側にとってわかりやすいようにまとめたり、認定に結びつきやすい項目の選択や、調査する側に伝わりやすい説明の工夫をしたりすることは、一般の方には難しいところですが、交通事故に強い弁護士事務所には、そのようなノウハウの蓄積があります。

高次脳機能障害による後遺障害の等級認定は、当事務所におまかせください

第三者にはその困難が理解されにくく、診断や後遺障害等級の認定も難易度が高いと言われている、それが高次脳機能障害です。

この記事を読まれて、ご自分やご近親の方が該当するかもしれないと感じられたなら、理解されない苦しみと、経済的な負担の両面を解消するために、どうぞ当事務所にご相談ください。

高次脳機能障害だけではなく、脊髄損傷など重度の後遺障害のご相談を受けた経験を数多く持ち、目に見えない障害についても詳しい弁護士が、後遺障害に苦しむみなさまが心理的・経済的に安定できるように、サポートに全力を尽くします。

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