施設(建物)内での転倒事故につき、交通事故事案の知見を応用して賠償金を大きく増額した事例



万円| 被害者 | 60代 女性 |
|---|---|
| 部位 | 頭部、首・肩など |
| 傷病名 | 頭部外傷・脳震盪・頚椎捻挫など |
| 後遺障害等級 | 14級 |
| 最終獲得金額 | 約490万円 |
| 項目 | サポート前 | サポート後 | 増額幅 |
|---|---|---|---|
| 後遺障害等級 | 14級 | 14級 | – |
| 入通院慰謝料 | 96 | 150 | 54 |
| 逸失利益 | 0 | 233 | 233 |
| 後遺障害慰謝料 | 75 | 110 | 35 |
| 合計 | 171 | 493 | 322 |
| 単位:万円 | |||
事故・怪我の状況
ご依頼者様が、業務中に建物内で転倒され、お怪我を負われたケースです。解決までの流れ
本件は、交通事故ではなく、建物内で発生した転倒事故に関する事案です。事故当日は雨天であったのですが、ある人物が外から建物内へ立ち入った際、衣服や所持品に付着した雨水が大量に床面へ滴り落ちたにもかかわらず、そのまま放置してしまいました。そして、その後に来訪したご依頼者様が同様に建物内へ入った際、床に残っていた雨水で足を滑らせ、その場に転倒するに至りました。
ご依頼者様は転倒の衝撃により、頭部外傷や脳震盪をはじめ、肩部・腰部・四肢など複数部位にわたる打撲傷を負う重大な結果となりました。事故原因は床面を濡らしたまま放置した人物(加害者)の過失となりますが、加害者が業務中であったことから、雇用主である事業者(使用者)にも使用者責任を問うことができる状態となりました。
本件では、加害者の使用者が加入していた施設賠償責任保険の適用が可能であり、基本的には同保険から賠償を受けることで解決を図れることになりました。他方で、ご依頼者様も事故当時業務中であったため、労災保険の適用も認められ、治療費や休業損害については労災保険からも填補してもらうことができました。さらに、後遺症については、労災保険において14級の後遺障害等級認定を受けることができたのです。なお、仮に労災事故でなかった場合には、施設賠償責任保険において後遺障害の認定を受ける必要があり、手続的な負担が増大していた可能性があります。
ご依頼者様から弁護士へのご相談は、施設賠償責任保険(加害者側)から賠償金額の提示を受けた段階で行われました。しかしながら、提示された内容は、自賠責保険の算定方法を参考にした比較的低額なものであり、14級の後遺障害の存在を前提としているにもかかわらず、実質的には逸失利益が計上されていないなど不十分なものでした。
そこで弁護士としては、交通事故案件において蓄積された実務経験を活かし、交通事故における損害算定基準(いわゆる裁判基準)を参考にしながら交渉を進めました。法律・保険実務上、自動車等が関係しない事故であっても、第三者の身体に対する損害賠償額の算定においては、交通事故の基準が援用されることが多く、本件でも同様の枠組みを用いることが相当と考えられたからです。
その結果、当初の提示額と比較して、入通院慰謝料および後遺障害慰謝料について大幅な増額を実現するとともに、後遺障害14級に見合った適切な逸失利益も新たに計上させることに成功しました。
本件のように、一見すると交通事故とは無関係に思われる転倒事故であっても、交通事故分野での知見を応用することにより、適正な損害賠償を導くことが可能です。是非、示談をなさる前に一度弁護士へご相談ください。
なお、建物内や店舗内における転倒事故では、被害者側にも一定程度の過失が認められ、過失相殺が行われることが少なくありませんので、その点にはご注意ください。
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